ありがとう、アラン。

『ピグマリオン』を出版するにあたって、ショウは、序文と”結末”と称するエピローグを書いた。私は序文を、その内容が『マイ・フェア・レディ』にはあまり関係ないので、省いた。

私は”結末”も省いた。というのは、このなかでショウは、イライザがヒギンズと結ばれるのではなく、フレディーと結ばれるということを説明しているからである。そして私は、ショウ殿、お許し下さい!どうもあなたが正しいとは思えないのです。

~アラン・ジェイ・ラーナー~

台本の最初の方にこんな文章が載っている。『マイ・フェア・レディー』の脚本家アラン・ジェイ・ラーナーが、原作者のバーナード・ショウに向けて書いた「魂の言葉」だ。

ありがとう、アラン。同感です。

名作が名作になるまでには、長い年月と正しい眼が必要だとわかる。

『マイ・フェア・レディー』はこんなにも深い作品なのだ。
初日まであと2日。

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17 thoughts on “ありがとう、アラン。

  1. けんけん

    >しあわせはいつもじぶんのこころがきめる
    とても素敵な言葉だと思います。私の信条は「青い鳥は家の中にいる」なのだけど、ちょっと似てるかも…と勝手に思ってます。
    逆に言ったら、今日とても幸せな事があった我が家ですが、まあ例えば無理に思おうとすれば「今日から息子がいなくなる、不幸で悲しい日」(結局息子に里心が出て、連れ帰ったというアホな結末でしたが)とも表現出来る訳で。全てこころがきめる事ですよね。
    結婚して仕事をするかしないか、生活の何にウェイトを置くか、しつこいけどそれは、初めからある決まり事ではなく、二人で作り上げて行く事だと思うのですよ。イライザが結婚する事は、イライザの全ての自由を奪う事ではないと思うんですよ。ヒギンズ教授と二人で決めれば良いのです
    とここまで書いてちょっと思ったのですが、例えば20代のフレディと、40代のヒギンズ教授ではやはり可塑性は違うのかしら…。マリーナさんのおっしゃるショウ氏の続編がどちらと結婚して夢を叶えたのか気になります。でもイライザは若いしバイタリティがあるから、ヒギンズ教授とでも何とか出来そうですよね…。
    余談ですが、うちの夫婦なんかは、かなり昔から一貫して、お互い「君が(あなたが)亡くなっても、今生ではもう結婚はしない」って言い合ってます。余りにも深く愛し合ってるからでは勿論なく(*_*)、二人とも面倒くさがりなのです(笑)。もうその作業は読み終わったページ。子どもの小学校受験とかと同じで、反芻して懐かしむ事はあっても、もう一度通りたい道ではないね。と。いつも二人で言ってます。なんだか。こんなに深く沈んでいるので書きたいこと書いちゃいました。どうぞ年寄りの戯言とお思いになって聞き流してくださいませ。m(_ _)m。

  2. マリーナ

    一昨日が初観劇の初々しい頭(笑)で思った事。
    せっかく上品な英語を身に着け、夢を叶える為の目的を果たしたイライザなのに、そんなのすっかり忘れられたかの様にヒギンズと結ばれる事を示唆する結末にまとめられてて、唖然というか「オイオイオイ…」とツッコミを入れたくなったのが正直な所。これが物語の発端だったはずなのに(ΘoΘ;)
    実際、アラン氏がイライザの夢の事を忘れたのか、「女は夢など追いかけず結婚して幸せになれ」と強烈なメッセージを込めたのかは解りませんが、今回のプログラムに寄稿された萩尾瞳さんによると、ショウ氏が書いた続編でイライザは夢を叶えているそうです。(どの道結婚はするんですけどね。どちらとしたかは伏せておきます。)
    結婚はお互いが望めばすれば良いし、それが「女の幸せ」でもあるし、「男の幸せ」でもあると思っています。
    ただ、「男の意向」又は「親の意向」のみで「女の幸せ」を決められてしまった時代の女性は、一方で不幸だったと思うし、だがしかし、それだけで不幸だったかと思うと、そうも言い切れないのかなぁとも思います。
    イライザが自分の夢を捨てて、ヒギンズあるいはフレディーと結婚するのは幸か不幸か…。観た人それぞれの感じ方があると思いますが、私は相田みつをのこの言葉を思い出しました。
    >しあわせはいつもじぶんのこころがきめる
    石井さん、イライザは色々な決断をしてヒギンズの元に戻って来たと思うのです。心して(笑)ヒギンズ教授を生きて下さいね!

  3. けんけん

    あ~!地下でこんなお話になさってる!
    実は私、一昨日hamapiさんのご投稿を読んですぐに感じた事がありまして、それは「私って今の世の中では少数派なんだろうな。」って事。
    私は一昨日までこの「ヒギンズ教授との結婚で幸せになるイライザ」という結末に全く何の疑問も抱かず、「男性的目線」だと思った事も一度もなかったです。いや、結婚後にもきっとこの二人は喧嘩するだろうな、とか、身分違いの結婚って苦労が多そうだね、私は下に楽ありで良かった、とか、そういうくだらない事は色々考えた事がありますが(笑)。
    私も「女の幸せは結婚だ」なんてアホな事を思っている訳ではありませんが、「結婚で得られる幸せもある」と思ってます。(「結婚すると得られない幸せも絶対ある」とも思っています。)
    確かに結婚は現実だし、シンデレラとか白雪姫みたいに結婚=ハッピーエンドという物語は私もどうかと思います。
    ただ思うのは、「現実」というのは待ち受けているものではなく、自分がその与えられた環境の中で作り上げていくものだという事。結婚なんて、そこまでの25年とか35年とか45年とか・・・全く違う環境で生きてきた二人が急に同じ価値観で寄り添って生きる事を求められるもの。そりゃどんなに相性が良く見えたところで、生活が始まってみれば細かい事から大きな事まで本当に色々あります。でもそこを折り合い折れ合い何とか作り上げていくのが「現実」なのかなと。
    そのうちヒギンズも「スリッパくらいは自分で探そうかな」と思う日も来るだろうし、イライザも「スリッパ探せと言われたくらいで怒り顔をして波風立てるのは疲れるからやめよう」と思う日がきっと来ると思うんですよね。そうやってぬるくぬるく生きていく幸せって。私はあると思うんです。きっといつか分かってもらえる日が来るから、その日まで我慢しよう、それでも、一生分かり合えず、分かってもらえずに終わっちゃうかもしれないけど、それはそれで人生。
    この二人がこの先どうなるかは全く分からないけど、色々な可能性を含んでこの結末って言うのは充分ありなんじゃないかな。と私は思っています。
    私「コゼットとエポニーヌ、どちらに思い入れがあるか」とか、「ファンティーヌの生き方をどう思うか」とかそういう話になると、悉く少数派の人間なので、きっとこの投稿も誰からも支持されないだろな、と思いながら敢えて書いてみました。

  4. FURI@ちょっと迷いつつ

    >hamapiさん
    私も同意見です。あの時代背景を見るとイライザは結婚しなければ生きていくことができなかった。素性を知っているお姑さんが理解があることを考えればヒギンズ氏と一緒になるのがいいのかな、とも思うんですが、スリッパすら自分で探さず場所を聞く彼に(ネタばれすみません。更新されているから見逃してください)『ヒギンズにイライザはもったいない』と思った私。
    彼女ほどの向上心と野心のある女性であるならばヒギンズ氏とはビジネスパートナー、フレディーと結婚して語学教育に彼の家の財産を慈善事業として使う、とかするんじゃないかな、と思うわけです。(貴族の方は慈善事業をすることを自分の義務と考えていらっしゃいますよね。お金や地位は神様からのタレントだと考えているから→怪しい記憶)幸せは形ではなくて感情だから、イライザがどう考えるのかはわからないですけど。
    まぁ私は当時の時代背景を全て把握している訳ではないのでこの案がかなり難しいんだろうな~とは思うんですが『結婚してハッピーエンド』って好きになれないんですよ、個人的に。(夢がない私)結婚は現実だし、その後にさらに人生は続いて、現実が待っている訳ですよね…。
    数年前に『モダンミリー』を見た時も同じ事を思って、『あたしはいっつも主役なのよ!』と悪に手を染めて、さらに悪あがきしまくる悪役に心動かされ、号泣した私。
    やっぱり私は相当ひねくれものです。でもヒギンズ教授は憎めなくて好きなんですよ。見に行けないんですが、存分教授を生きてくださいね。
    ちなみに私、一緒にライブに行った方に(STBのお向かいにウェディングショップがあったんですよ。シアタークリエの横のお店にも入っていました。)『相手要らないからあれが着たい』と言って呆れさせた女です…人間として自分に何か足りない気がしてなりません。オホホホホ…

  5. NEWBIE

    『ピグマリオン』とピグマリオン
    源はギリシャ神話と物語がレイヤ-になっているのですね。
    視野が少し広がりました。(infor by Wikipedia) THNK教授!
    (これって「RENT」みたいですね!随分と時代も違いますが…)
    アランさんマジックのお陰でイライザのサクセススト-リ-があり、
    ヒギンズ教授の心が進化していく素敵なスト-リ-があるのですね。
    (当時の社会を考えると画期的ですよね。←Wikipedia情報です。)
    教授、ありがとうございました。
    日付変わり、いよいよ祝初日ですね。どうぞお楽しみくださいませ!

  6. ai

    昔、高校の音楽の授業で見ただけであまり話の内容覚えてなかったので、来週観に行く前に予習しようと本日、マイ・フェア・レディのDVD借りてきました(;^_^A
    いよいよ初日を迎えますが、明日の天気はどうやら晴れになりそうで一安心ですね☆(笑)毎日指折り数えて観に行く日を楽しみにしています(^^)v

  7. うさこ

    先ほど友達から、シアタークリエ付近でのカズさん目撃情報が来ました。
    黒い革の帽子かぶってたのはカズさんですか~?
    私もお会いしたかった…
    4月末上京します(^O^)/がんばって下さいね。

  8. hamapi

    すみません。
    ↑上のコメント、名前なしで投稿してしまった(^^;;)。

  9. 匿名

    何回かマイフェアを観劇させていただいた範囲でのすこぶる個人的イチ意見ですが。
    わたし的には、「ショウ殿、お許し下さい!」には同感ですが、もひとつおまけに
    「アラン殿、お許し下さい!」かなぁ(笑)
    たぶん、マイフェアの出来た時代、熟成された時代から、今の時代というのは
    女性の感覚とか、生きる姿勢みたいなものが、ずいぶん変わってきていると思うし、
    ショウもアランも、男性的目線でイライザの結末を考えている気がしてならないんですよねぇ。
    (あくまでもわたし的にはです)

  10. けんけん

    >長い年月と正しい眼が必要
    さすが、教授。\(^o^)/。私もそう思います。全ての事において、本物を本物と、偽物を偽物と見抜く眼って必要ですよね。一番大事な事かも。私も自分の眼が正しいかどうか、真実はどこにあるのか、見極めて生きていきたいと思います(^O^)。
    「マイ・フェア・レディ」の結末が、今のもので本当に良かったです。舞台では夢を見たいですものね。不確実で不安の渦巻く時代だから、舞台の上と家の中だけはいつも明るく楽しく…なんて思います。アランさん、ありがとうございます。

  11. ミク

    おはようございます教授(^_-)
    私もアラン氏に感謝致します。マイフェアレディとても好きな舞台。そして石井さん演じるヒギンズ教授はまるで地(←地は知りませぬが・・・)のような。。。大好きであります。再々演でまた観れる日がやってきた事嬉しいです。これも石井さんが頑張ってこられた成果ですねo(^-^)o
    いよいよ明日は初日。久々の帝劇でのヒギンズ教授、どのように熟成されているかしかと拝見させて頂きます。千秋楽まで体調コントロールし頑張って下さいませね(^!^)y~

  12. カヨ

    マイ・フェア・レディ、まだ1回も観た事がないから、何とも言われへんけど、いい話のような気がする。石井さんがやってる間に、1回マイ・フェア・レディ観に行きたいと思う。
    マイ・フェア・レディをやっている頃は、もう春ですね。初日を迎える頃は、桜が満開になってる頃ですね。って言っても、後、2日後に始まるんやからね。
    それでは、約1ヵ月公演頑張って下さい(笑)

  13. トム

    名作に生まれ変わってよかったですよねーヒギンズ教授(^^)♪
    では、元気に舞台稽古いってらっしゃいませー!!

  14. ぷりめら

    おはようございま〜す(^^)
    お稽古でお疲れの中、短い間隔での更新ありがとうございます(__)
    以前パーティーで原作の結末をお聞きして何故フレディと(・・?と思いました
    もう少しですねドキドキワクワクo(^o^)o
    本日も、お気をつけて行ってらっしゃ〜い(^^)/~~~~

  15. >どうもあなたが正しいとは思えないのです。
    ひっそりと孤独を噛み締めて涙するヒギンズ教授の愛らしさ、愛おしさに勝負が掛かっていると思います。
    がんば~教授!
    フレディに負けるな~!!
     
    塾生は赤津崎・・もといヒギンズ教授を応援しとりますっ-☆

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