おはよう。青と白が抱き合うように空を歩いている。微笑ましい。淀川の彼方(笑)でも同じ景色が見られていますか?
英と向き合うのもあと3回か…そう考えるとむしょうに寂しくなる。だからこそ、精一杯、英と向き合っていきたいと思う。皆様…『天翔ける風に』6/29・30の2日間のみですよ。大阪で待つ。
さあ。『トレジャーズ・イン・マイ・ライフ』を語るシリーズ。第三回は「蜘蛛女のキス」より”She’s A Woman”。
あの七転八倒しながら荻田浩一さんと共に作り上げた舞台。「男は男らしく女は女らしく…」と育てられた下町出身の俺がぶち当たった大きな壁。
「カズさん…もっと淑女のように喋って下さい」
「座る時に股は広げない」
「その2行で女心を表現して欲しいのです」
「毛布をたたむスピードを倍くらい速くできないでしょうか?」
荻田さんが鬼監督に見えたあの冬(笑)。
役者は、本人のキャラクターと離れた役を演じた時にもっとも面白い仕上がりになる….これは俺たちの世界でよく言われる言葉だ。つまり、「見るからに 悪っぽい人がマフィアの役をやる」とか、「いかにも真面目そうな人が真面目なお父さんの役をやる」より、その逆の方が七転八倒のプロセスを踏むので、必死 に役を纏う努力をするので、結果的に面白くなるというわけだ。
そういう点では『蜘蛛女のキス』のモリーナは…俺にとってそういう役だった。未成年の男の子をいたずらしたために投獄されているゲイの役だった。戸惑った…最初は。
最初は…と書いた。
身も心も女性でありたいモリーナを演じるにあたり、稽古場の鏡にうつる自分が「男の姿」なのが気持ち悪くて、フリフリのついた女性モノの稽古着(4Lくらい の・笑)を入手し、浦井健治くんに「苺のパッチン留め」をいただき(涙)、毎回頬紅を塗って稽古をした。もちろん本番は刑務所の中の設定だからパッチン留 めなんかしない。でも…役者は「姿形」から気持ちを形成することも時には重要なんだ。
「女心のわからない人ね」…人生で何度もそう言われた俺(笑)が「女心」を表現するために葛藤したあの日々が、今も俳優としての自分の中心に存在してい る。怒られると急速にショゲる俺を…励まし・そやし・持ち上げ・褒め続けてくれた荻田浩一さんに今も頭があがらない。
「カズさんならできる….カズさんは繊細な人だから…」
荻ちゃんは毛布すら畳めないこんな俺を理解してくれたのだ。荻ちゃん、死ぬまで愛してます、そう思った(笑)。
そして…ヴァレンティン 浦井健治くんの存在。不器用で台詞もたいして覚えていない俺を、優しく、強く、逞しく見つめてくれた彼の存在は大きかった。俺の方が先輩なのに、健治は ずっと俺を支えてくれた。素晴らしい役者だって思った。俺は一生かかっても健治に恩返しをしていきたい。なんか、させてくれないかな?手作業じゃないこと で(笑)。
ついつい語ってしまった(汗)。だって…思い入れがありすぎるから。jejeje。
大切で愛しいモリーナの声を残すにあたって、マコちゃんと話し合ったのは、なるべく生々しいトラックにしようということ。Broadway盤の元々 の”She’s A Woman”は豊かなオーケストラサウンドなんだけど、ピアノ1本で歌ったらどうだろう?と決めた。ヴォーカルにリヴァーヴ(エコー)もほとんどかけず に、ピアノも粛々と感情ベースで録音しようと。
裸の声と裸のピアノ。出所を控えたあの夜のモリーナとヴァレンティンのような音。
問題はテンポだった。ヴォーカルとピアノを「せいの!」で録るわけじゃないので、揺れるテンポをどうするか。マコちゃんの家で、何度も何度も歌ってみせた。この行はもっと凹んで死にそうな気持ち。ここは叫びたいのに叫べない想い。ここは消えてなくなりたい心境。
マコちゃんは俺の気持ちを最大限にくんでくれて、最高の演奏を録音してくれた。俺の気持ちのままのテンポで。揺れて遊んで泣き濡れて…。
一度俺の体をすみずみまで駆け抜けたモリーナの感情は、いつでもスイッチ一つで蘇る。たしかヴォーカル・レコーディングも1テイクか2テイクで録れたと思う。
皆様の心に、モリーナの「よどみのない女心」が届いていますように….。
★石井一孝ミュージカル・コンサート『Talk & Sing & Act』in 名古屋 8/4
絶賛チケット発売中!!!
日時:8月4日(日) マチネ 13:00 ソワレ 16:30
場所:名古屋 今池ガスホール
料金:4500円
発売:当サイトにて発売中。
このコンサートは神戸・博多・東京を経て、満を持しての名古屋公演です。ミュージカルを知らない方にも少しでも身近に感じてもらえたらと思って開催しています。
1部はミュージカルの裏話などのトーク(俺だから仕方ない 笑)。アラジンの”A Whole New World”を歌います。誰かジャスミンをやってもらえないでしょうか?自薦他薦問いません。当日「は~~~い」と手を挙げていただけたら本物のアラジンとデュエットできます。いかがですか?
2部はガッツリとミュージカルを歌うコンサート。ソワレ終演後(18時30分過ぎ~)には「チャリティー2ショット撮影会」を開催します。あの3.11から2年がたちましたが、少しでも復興に向けて力になれたらと思っています。参加費は全額義援金として送金させていただきます。奮ってご参加下さいね。
『Treasures in my life』を発売したばかりですから、アルバムからの曲も歌いたいですし、愛する『レミゼラブル』から”カフェソング” 映画版新曲”Suddenly”も歌いたいね。いかがか?さらに『ジキルとハイド』の”First Transformation” 『ミス・サイゴン』の”Why God Why?”など常連曲も(笑)。
加えて、この春夏、身を焦がして演じて来た『トゥモロー・モーニング』『天翔ける風に』をそれぞれメドレーにしてお届けしようかと思っています。”オートバイオグラフィー”はやるでしょうね。愛し子もやりたい。梅太郎の”走り続ける者たちへ”もマストかな。さあこれが時間内に収まるのか…誰も知らない(ばか)。
是非、盆地で湿度も温度もゴキゲンな名古屋で….八丁味噌がたまらなく美味い名古屋で…財布にお金がなくてビビった町 名古屋で….ミュージカルの魅力を分かち合いましょう。待ってます。
★★石井一孝 ミュージカルCD『Treasures in my life』
6月15日 当サイトにて発売開始!!
夢の豪華ゲスト参加★★
★ 現在 予約申し込み受付中 (6月7日までにご予約・お振込いただいた方は発売日に発送致します)。
★サイト購入特典として、「生写真」を3枚プレゼント致します。
★ブックレットは28頁にも及ぶ分厚さ。1曲1曲を詳細に語った入魂のライナーノーツも、文筆家として(え?)ガッツリ書き上げました…それだけで6頁もあります。やりたい放題でござ~ます(笑)。
★ゲストの皆様のレコーディング写真もモチロン掲載しております。
★レコードショップなどでの発売は7月以降になります。
『Treasures in my life』の音源サンプルを添付しておきます。ダイジェストみたいなものです。良かったら聴いてみてね。ちなみに、これはめっっちゃ音が悪いですが、本物はめっちゃ音が良いからね!
お申し込み….お待ちしています。
<ACT1>
1、Why God Why? 『ミス・サイゴン』より
2、I Think I Can Play This Part 『グッバイガール』より
3、She’s A Woman 『蜘蛛女のキス』より
4、届かぬ想い 『愛と青春の宝塚』より
5、Anthem 『チェス』より
<ACT2>
6、Bui-Doi 『ミス・サイゴン』より
7、Fill In The Words 『デュエット』より
8、So In Love 『キス・ミー・ケイト』より
9、闇が広がる (Duet with 浦井健治くん) 『エリザベート』より
10、What You Own (Duet with 坂元健児くん) 『レント』より
11、I’ve Grown Accustomed To Her Face 『マイ・フェア・レディ』より
<Curtain Call>
12、三銃士メドレー (with 井上芳雄くん 岸祐二くん 橋本さとしさん) 『三銃士』より
Produced:石井一孝
Co-produced & Orchestrated:宮崎誠さん
Chorus:川口竜也くん。渕上祥人さん。藤田光之くん。SONIAさん。池谷京子さん。真樹めぐみさん。
Musician:
Keyboard 宮崎誠さん
Guitars 小倉昌浩さん
Bass クリス・シルヴァースタインさん
Drums 萱谷亮一さん
Violin 伊藤佳奈子さん
English Horn 齋藤潔さん
5th CD 『Treasures in my life』 音源サンプル m4a.m4a
5th CD 『Treasures in my life』 音源サンプル mp3.mp3