夢は大きく

「この世の中にラブバラードが必要なら、わたしがその最上のものを作り続けたい。それの何が悪いんだ?」

80年代~90年代にかけて音楽プロデューサーとして空前の大成功を収めていたデヴィッド・フォスターに対して、プレスの意地悪な批評が相次いだことがある。「Davidのヒット曲はバラードばっかりだからね….」

まったくの誤解で、アップテンポのヒット曲も枚挙に暇がないほどだ。でも確かにデヴィッドのバラード制作能力は抜群で、世界一と言ってもいい。

彼はまず作曲家として天才で、なおかつピアニストとしても実に個性的で神の指を持っている。加えてアレンジャーとしても独創的かつ美のスコア書き。そしてプロデューサーとしては15個のグラミー受賞が示すとおり、泣く子も黙る完璧主義者だ。

1曲を何十回も歌わせるので有名らしく、名だたるシンガーが影で「デヴィッドは気が狂ってる」と発言しているのも聞いたことがある。「これでオーケー」となかなか言わないらしい。褒めてくれたら(笑)俺は何十回でも歌うけど、けっこう良いトラックは最初の3回だったりするけどね。でもそれがデヴィッドのやり方だそう。

デヴィッドが、作曲・アレンジ・プロデュースを手掛けた一世一代の名バラード「素直になれなくて」をまずはどうぞ。

◆Chicago / Hard To Say I’m Sorry
http://www.youtube.com/watch?v=wEwNcnklcsk

俺は大学時代に死ぬほど聴いたな。もう完璧過ぎて言葉も出ない。ピーター・セテラの鋼のような喉もすごくない?美しい声。そしてキーが高っ!

 

つづいて世界のディーヴァ セリーヌ・ディオン。現在、世界一歌がうまい女性はセリーヌでしょ。あの針の穴にスパッと糸を通すような絶妙な音程。脅威のブレスの長さ。黒人さながらのフェイク。うますぎ。曲はエリックカルメン(フットルースのAlmost Paradiseを作曲した人)、アレンジ&プロデュースがデヴィッド。

◆Celine Dion / All By Myself
http://www.youtube.com/watch?v=o22i_gqAf_o

デヴィッドの顔も見たいでしょ?なんとこんな才能を持っていながら顔もカッコイイんだよね。ふ~。神様の馬鹿!

◆David Foster / Winter Games
http://www.youtube.com/watch?v=tfZmvmcNm9Y

最後はミュージカル大好きな075に直球のプレゼント。アナトリー役者ジョシュ・グローバンがシャルロット・チャーチとデュエットする狂おしいバラード。「プレアー」
作曲、アレンジ、プロデュース すべてデヴィッド・フォスター。

◆Josh Groban & Charlotte Church / The Prayer
http://www.youtube.com/watch?v=ckH3V_xOCnQ

これらを聴いておわかりの通り、デヴィッドはヴォーカルにもドラムにも深いリヴァーブをかけるのが好きなんだな。ホイットニーの『I will always love you』がいかにアッサリしたリヴァーブかわかるでしょ?

でも良いものは良い。あ~みんなの許可をもらって思う存分デヴィッドを語りました。
我々に身近なところでは、松田聖子さんの「抱いて」もデヴィッドの作曲&プロデュースだよ。

俺の曲をデヴィッドがプロデュースしてくれたらなあ….。

夢は大きく…ね?


39 thoughts on “夢は大きく

  1. 児玉源太郎@島根

     「諸兄あすの専門家たれ。」
    出雲安来は不思議なところ~。

  2. hamapi

    本日帰宅難民になりまして、時間もあるし
    久しぶりに石井さんのブログを見に来た所
    コメントしたい記事発見!
    嬉しくて入力しようと思ったら、私の携帯との
    相性が悪いのか、全然出来なくて残念。
    てことで、無事家に帰ってきたので、
    PCから入力~。
    私もデヴィッド・フォスター好きです。
    どの曲もいいですが、特に好きなのは
    Hard To Say I’m Sorry
    Un-Break My Heart
    Through the Fire
    I Learned from the Best
    The Best of Me
    あたりかな~
    久しぶりにCD聴いて寝よっと。

  3. maki

    「バラードの中」って「クイーンのバラードの中」でっていうことです。
    念のため。

  4. maki

    おはようございます♪
    なるほど…類は友を呼ぶといいますが…なんてすみません(^^;)
    私はてっきりオズさんはチェスからファンになられた方だとばかり思っていました。
    コアな人が集まりそうなミュージカルだったので。
    私なんかよりずっと以前からファンでいらしたんですね!
    しかも現役のキーボード奏者なんて、かっこ良すぎ!
    私は隣の西宮市在住で、実家は宝塚市ですから、また妙に嬉しいです。
    ただときめく音楽を聴いてただけの、なんの音楽的な肩書もなく知識もない、ごく普通の一般人ですが、ファン歴も一年と満たないにも関わらず、石井さんに出会って陰の立役者の存在とその功績の大きさとか、音をより深く味わうこととか、いろんなことを教わりました。
    一番大きかったのは、やはりクイーンに対する偏見を見事に打ち砕かれたことでしょうか(笑)
    もうウン十年、ほんっとにあのルックスが苦手で毛嫌いしていました。ごめんなさい。
    音楽に造詣の深い石井さんが、そんなに好きなら聴いてみようじゃないかと真面目に聴いてみたら、まあ!面白いこと!
    そして、彼らの音楽に対する姿勢にすっかりハマってしまいました。
    いまなら私も「Jealousy」で手を上げれますよ(笑)
    ピアノの弾き語りで、本当に美しいバラード。
    バラードの中でも1、2を争うかもしれない。
    ライヴでは演奏されたことがないそうですが、石井さんヴァージョンは聴けたんですね〜。羨ましい!
    石井さんとオズさんのコメントのお陰で、その後David Roberts のCDの説明書が理解できるようになりましたよ。
    といっても、まだ分からない名前はあるんですけど、私が何の気なしに気に入ったもので、当時表立ってはそんなにパッとしてなかったこのアルバムが、制作陣や参加ミュージシャンがいかにゴージャスで、AORファンに絶大な人気を誇るものなのかは理解できました。
    もともとフォスターに依頼されたもので、セッションにはかけつけたともありましたし。
    これからも参考にさせてもらって、少しずつ精進していきます。
    私も張りのある声量たっぷりで、どこまでも高く伸びる石井さんの声が大好きです。アレです。「針の穴にスパッと糸を通すような」確かな音程。
    石井さんにもいえますね。
    音楽と歌とお芝居を本当に愛してらっしゃるのが伝わってきます。
    私は友人に連れられるまま東宝系のものからミュージカルを観始めたものですから、しばらく離れてらした石井さんの存在に気づきませんでした。
    三銃士とブログはもう「こんな人がいたなんて!」と衝撃をうけました。
    ずいぶん遅ればせながらですが、石井さんに出会えて良かった!
    しかし、キャンディードがチェス以上に難しいなんて…。こちらも衝撃です。

  5. オズ

    おはようございます。オズです。まずはお詫びを。時々こちらに出てきてゲリラ的に書き込みさせていただいていました。だけどその後に続く書き込みは全然見ていませんでした。と言うのもオタクな石井さんならわかって下さるかと思いますが『またやっちまった、、』。あまりにコアな音楽の聴き方をしていて熱く語りすぎ気がついたら周りがドン引きしていたこと(笑)。非難されてるかも、と思って見ていませんでした。昨日やっと気付きました!初めてchessの感想を書いた直後にナント石井さんご自身からお返事をいただいており、しかも喜んでいただいていたなんて。また長年のファンの皆様の中にも妙な書き込みに関心を持って下さった方もいらっしゃり。本当に恐縮です。ありがとうございます。
    私は石井さんより3つ年上なので石井さんが幼くてまだ洋楽を聞き始められる前からリアルタイムで接してきました。石井さんが語られるミュージシャンの全ては多分わかりませんが、私が挙げるミュージシャンは石井さんにはわかるだろうな〜と敢えてちょっとアングラな名前を並べてみました。
    AORにハマったのはまさにエリックカルメンからです。中学一年かな。paradiseなんて新しい新しい(笑)アマチュアですが16才から現在までキーボードプレーヤーをやっています。だからギターではなくピアノで作曲されたロックが好きです。
    今回のご紹介曲は全て発売時に聴いている大好きな曲ばかり。
    『素直になれなくて』は一昨年の来日時、ピーターセテラの後ろでデヴィッドがピアノを弾く、二人をナマで見て感涙でした。あのイントロだけで当時ベストヒットUSAをかぶりつきで見ていた自分やその頃の記憶、季節感まで蘇りました。一番好きなデヴィッドのサウンドの中にいる幸せ、感無量でした。
    セリーヌディオンを知ったのは、20年ほど前、宝塚市内(関西在住です)のバーで飲んでいてたまたま知り合った人にデヴィッドが好きなら、と紹介され最初の二枚をお借りしました。これちょっと自慢なんですが、その方、『冬が来る前に』を作曲された方です!初来日は尼崎の小さなホールで観ましたよ。
    『プレーヤー』は先日WOWOWでライブが放映されたボチェッリ氏版が素敵ですが今の私のブームは一昨年見たカナディアンテナーズ版です。ライブで初めて知りましたが感動で震えました。
    『wintergame』はデヴィッドのアルバム『symphonyセッション』からですね。関西のFM局が当時ニュースの時のBGMに使っていたので懐かしいです。映画『摩天楼はバラ色に』のサントラも入ってますね。聖子ちゃんのアルバム『シトロン』は発売時からの愛聴版。その前に尾崎亜美さんの『HOTBABY』も忘れちゃいけない!ジェフポーカロが炸裂しています。
    どれも思い出深い、素敵な曲ばかりです。勿論全曲、弾けますよ〜♪
    石井さんには何度か接しています。大阪ミナミであったライブでQUEENのjealousyを弾き語りされました。『この曲知ってる人?』と問われ『はい!』と大きく手を挙げたら『アナタは完璧なオタクでしょう』と言われてしまいました(笑)
    また梅田であったライブではお気に入り10枚をコピーしてもって行き握手会に並んで差し出しました。石井さんはじっくりご覧になり『もらっていいですか?』と仰ったのがMAXUSとトリーシャイヤウッド。『詳しいですね〜!』とも。
    北千住であった15周年ライブには行きましたが、『NOTHING TO ABOUT IT』のイントロでキャー!と騒いだのは私です(笑)オリジナルやミュージカル曲の中にこんなコアな選曲も差し込んである石井さんのライブは私には堪えられないです?? 声が良くて声量もたっぷり、音程も確か。長〜い脚にも負けない、天高くどこまでも伸びる明るい歌声に惚れ惚れします。歌が大好きで、それぞれの曲に思い入れたっぷり。またその技術を出し惜しみせず、大サービスで披露して下さる。貴重な俳優さんです。
    キャンディード!勿論知っています。そうでした。難易度No.1はあの作品かも知れませんね。初演はバーンスタインの弟子であり今をトキメク佐渡裕さんが指揮をされたそうですね。残念ながら石井さんの回は知らないのですがアッキー版はDVDを持っていますし芳雄君版は観に行きました。題名のない音楽会のテーマに使用されていますよね。
    キャンディードといい、chessといい、難易度の高い楽曲を歌いこなせる俳優さんを探したらこのキャストになりました!というキャスティング。両作品の初演を務められたカズさん。素晴らしいです。これからのご活躍も本当に楽しみにしています。
    長くなりました。が、もう一つだけ。私が一番好きなボーカリストはフレディーですよ!QUEENの全曲を持ち歩きたくてipodを買ったくらい、ファンです。石井さんとは絶対に話が合う!一度ゆっくりお話してみたいとずっと思っていました。その思いがどうやら通じたかも!!夢が叶いました
    強く願えば夢は叶うと信じています。石井さんとデヴィッドの共演もそう遠くないと思いますよ。だってジェイグレイドンに手が届いたんですよね?その隣にいますよ、デヴィッド。その日を楽しみに待っています。
    音楽的なお題が出た際は時々こちらに書き込みさせて下さいね。難しいお題、待ってますよ〜!
    あ、ハーモナイズドギター。あはは、そうですね。エアプレイだ!毎日chessばかり聴いています。分析しながら聴いているとごはん三膳いけますいけます(笑)

  6. ブルー

    石井さん、おはようございます(^^)
    >1曲を何十回も歌わせるので有名
    プロデュースをしているという事は、認めてるからなんですよね?
    もっと出来ると思うからじゃないんですかね?
    でも石井さんじゃないですが、ダメ出しばかりやただやり直ししか言われなかったら、凹んでいきそう(笑)
    あっ!ダメ出しとかされると燃えるタイプの人ばかりプロデュースしてるなんて事はないですよね?
    荷造り、どんな感じですか?
    今日は風が強くて雨だけど暖かいみたいです、お出掛けなら、気をつけて行ってらっしゃいヾ(^_^)

  7. midori

    カズさん、こんばんは(*^_^*)
    おすすめの曲、聞いてみました!
    ●Chicago / Hard To Say I’m Sorry
    これは前奏聴いただけで、「あぁ、聴いたことある!」
    音も声も透明感があって素敵(#^.^#)
    ●David Foster / Winter Games
    この曲、かっこいいですね~!どこかの番組(スポーツニュース?)で使ってませんでしたっけ?
    気のせいかしら(・・?
    でもここまでピアノが弾けて、作曲もできて、男前で…
    なんでアーティストじゃなくてプロデューサーの肩書きをもっているんでしょう?
    自分でやりたいと思わないのかな?
    あ、でもこんな感じでコンサートやって、普通にアーティストとしても活動してるんでしょうか?
    こんな人でもホイットニーの時はクライブに負かされちゃったんですよね…
    上には上がいるもんですね。
    「お化粧をした」この曲を知らないけれど、「スッピン」のこの曲はホイットニーの声、
    歌唱力などの素材が前面に出ていてとても素敵だと思います。
    もしかしたら「お化粧をした」曲は
    「君、綺麗だね。どこの化粧品使ってるの?」
    とてもいいけど、音楽の方が目立っていたのかな…なんて勝手に思ってみたり。
    すいません、素人が(*_*;
    プロデューサーの仕事内容も漠然としていてよくわからないけれど、
    魅力ってなんなんでしょう?
    才能を見つけだすこと?自分では出来ない部分を代わりにやってもらうこと?
    カズさんは、曲を提供する時どんなことを考えて作っていますか?

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