ブラックアウト

5月8日。うっすら消極的な陽射しを伴うクラウディ。少し物悲しい。
 
しかしBWMLまで3日に迫っているので、俺はそんなオセンチな気分になってる場合じゃない。みんなもGW明けのドンヨリ気分は払拭して偽りでもいいから元気でいこう(笑)。
 
 
さて、先日の続き。
 
「暗転」…幕を下ろさずに、一時的に舞台を暗くして場面を変えること。そう辞書に書いてある。なるほど、その通り。
 
大きく言って、暗転には「セットの飾りかえのため」と「時間の経過を表現するため」とがある。どの舞台でも必ずといっていいほど「暗転」の瞬間は出てくる。ただ暗転が長いとお客様の集中力が途切れちゃうので、なるべくシーンとシーンをクロスオーヴァーさせて暗転をなくす演出にしている作品もある。
 
「ミス・サイゴン」はかなり暗転が少ない。シーンとシーンを高速でつなげるためにセットチェンジを電動化したんだよね。あれは画期的だけど、人間の手でセットチェンジするように融通がきかないので、指示通りに転換が進まないと止まってしまうのだ。また危険でもある。
 
世界の演劇人が「暗転」と向き合って、あ~でもないこ~でもないと知恵を絞っているのだ。俺は、効果的な「暗転」は、文章で言う句読点みたいなニュアンスがあって好きだけどね。暗転の次に”どんなセット”や”どんなシーン”や”どの役者のどんな表情”が出てくるのか想像するのが楽しいからね。みんなは暗転好きですか?
 
役者にとっては、「暗転」の最中に袖にハケたり次のポジションに移動したりが仕事なんだけど、暗転中の明るさがけっこう様々で難しいんだよね。
 
例えば『9 to 5』で言えば、日本中のいろいろな劇場を廻ったでしょ。すると劇場ごとの照明の位置や明るさが違うので、暗転中の明るさがマチマチなんだな。袖の光量も重要。袖っていうのはバンドの灯りや着替え部屋の灯りなどが多少こぼれていたりするので、暗転の時はその少しの灯りも頼りにするんだよね。
 
袖が真っ暗な劇場もあって、そういうときは本当に真っ暗。
 
俺は鳥目じゃないから怖くはないけど、バード系役者(笑)は真っ暗闇の中で右往左往する可能性もあるね。
 
みんなお気づきのように花ちゃんはバード系だったので(もういいっちゅうねん!)、2-6から2-7の暗転中は、ささやかながら手をつないで仲良く袖にハケておりました。
 
暗転のことを「ブラックアウト」と言うこともある。俺はこの呼び方が好きや。なぜって?かっこいいからに決まってるがな(笑)。
 
では暗転ショットをどうぞ。
 
 
 

201205_暗転のわたし


36 thoughts on “ブラックアウト

  1. 惠子(^_^)v

    一孝さん(^_^)
    今朝もブログの更新♪ありがとうございます。
    舞台観劇してる時の『暗転』次はどんな感じになるんだろうと想像しながら楽しみにしちゃってます‥☆
    でもね、役者さん達がはける時に凄く暗転になったりすると歩く方向がわからなくなったりしてしまわないのかな?って思うことがあります。

  2. maki

    え〜〜〜〜〜〜〜〜。
    ちょびっとがっかり。
    同じ演目でも使うセットが違ったりするんですね。日本初演の公演を観てみたかったものだとつくづく思います。
    スポットライトがないのに、当たっているかのように浮かび上がってたという石井さんのマリウスも観てみたかったな。
    これが私の必然なのだと、無理からに納得することにいたします。しくしく。

  3. Zoccha

    >makiさま 今度のミス・サイゴンは使うホールからしても、さほど大掛かりな機械式セットは要らないのでは?
    本物のヘリみたいな大掛かりなセットはゴージャスですが、
    それが無きゃ芝居が成り立たないわけでもないでしょう。
    真っ先にプレビュー観に行ってみます。どうなんでしょうね??
    案外、最近は、幕無し、セット無し、衣装すら自前の普段着、
    でもせりふとアクションだけで超面白い芝居によく当たります。
    さすがに照明と効果音、多少の音楽テープ流すくらいは必要だけど、
    マイクもなくよく通る地声は心地よい。
    椅子1つすら無いまっさらな舞台で、役者の周囲に景色やセットが目にありありと浮かぶって、
    うまい落語を聞いているみたいで、
    究極の名人芸を見るとワクワクします。
    舞台すら存在せずに、いきなりフロアで始まる作品もある。
    演劇って自由度高いですからね。
    そういえば、去年のラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭 2011で、
    「闇コンサート」がありました。
    この音楽祭は毎年恒例で、
    有楽町国際フォーラム中心に9会場同時に、
    GW中何十ものクラッシックのコンサートが朝から晩まであって、
    時間割見ながら、いろいろ安価にはしごできるのが面白いのですが、
    暗闇でコンサートが始まり、最後の最後で明るくなって、演奏者が公開される企画が、
    去年の一番人気でした。
    即完売。
    音楽祭出演者数百人のうち、誰が出ているか、
    最後までわからないほど真っ暗!曲目も事前発表無し。
    つまり最初からずっと超真っ暗な暗転のまま。
    こうなると「転」じゃない。
    最後に「明転」というのが正しい。ホワイトアウト?
    「闇コンサート」は主催者の思いつきではなく、ヨーロッパでは昔から伝統的にこの形式があるそうで、
    同じ形式でやってみるというのが、その時の主催者の趣旨でした。
    演奏者は誰なのか、次の曲が何か、わくわくしながら聴くのは面白い。
    ああ、なんで次から次ぎに話題が出てきちゃうのか、私・・
    長く生きてると、いくらでも書けます(笑)
    注)ホワイトアウトは極地や登山で使う用語。遭難しそうになったことがある。高低以外はいっさいわからなくなるので、ブリザードの中、下へ下へ降りた。

  4. け~こ

    携帯から見る分にはただのイケズ将軍です( ̄3 ̄)
    昼なのにバード系状態。
    そういえば坂元健児さんのブログもバード系状態でした(笑)
    読み逃げするつもりがZocchaさまの「はいからさんが通る」に刺激されて出てきちゃった(^_^;)
    伊集院という苗字に憧れたわぁ…。
    番外編も含めて全巻持ってました。
    ブラックアウトはまた夜に♪
    仕事頑張ってきまーす(^-^)/

  5. え゛? これ、舞台の暗転シーンなんですか?
    ひな祭りライブのリハーサルの頃合いの日付・時刻ですよね・・・・・?
    なかなか、素敵な表情ですっ (^◇^)
    (保存して、PC付属のソフトで明るくして見ました)

  6. maki

    って、見えへんやんっ!!
    やはりこうきましたか。
    「暗転の私」のタイトルで、「ん?」と思いましたよ。やっぱり。何やらぼ〜っと見えるような見えないような。
    バード系。何かカッコいいですね♪健常者でもビタミンAだか何かが足りないとバード系になるみたいですよ。家庭科で習いました。Zocchaさんがお詳しそうです。
    暗転にもいろいろあるをですね〜。なるほど〜実に興味深いお話です。
    私は暗転大好きです♪理由はほぼ石井さんと一緒。ワクワクしながら次のシーンを待ってます。
    あのシルエットはあの人かな〜?とか、次は社長室のようだとか、木とベンチのシルエットが素敵だな〜とか、誰が座ってるんだろう?とか。いろいろ思いながら。ちょっと一呼吸入れられる感じが良いですね。
    今年のミス・サイゴン。思い切り年末年始ですが、ものすごく楽しみなんです。石井さんがいらっしゃらないのはかなり残念ですが。機械仕掛けのセットも注目してみます。
    ちなみに私はキムの気持ちは分かる気がします。
    ではでは♪やや消極的な日差しの中、見た目だけでも元気に積極的にまいりたいと思います。
    う〜ん。やっぱり心底元気でいたいかな。そりゃあメゲそうにもなることはありますが。
    石井さんもどうぞ楽しまれてくださいね♪

  7. ハイコ

    kazuさん こんにちは(゚▽゚)/
    今日も良い天気。
    暗転 怖いですよね〜
    私には、花ちゃんさんが kazuさんと仲良く手をつないで掃けたくなる気持ちがよくわかりますね。
    私は 俳優さん達が掃けるのも登場してくる時も 見える位置に座ってたら どんな些細な表情も見たいと思っちゃう派なので 興味深く読ませて頂きましたよ! ありがとうですo(^-^)o
    見えない位置に座ってる場合は 後ろの人に気遣いながら座り直したりなどとしています。
    暗転中に 暗いのを活用して 映像を映したりしてるのも 時代背景であったりとかするので とても貴重だなと有り難く感じますねo(^-^)o
    今日のお仕事も 頑張ってくださいね!
    一度 舞台裏を 拝見したいです。ステージママだったら可能なんですか(笑) なんちゃって(^O^)/

  8. 阿波っ子

    一孝さ〜ん。こんにちわ(*´ω`*)ノ
    「暗転」勉強になりましたぁ(^O^)
    レミゼの時は、舞台が回転してたような…記憶が。
    ミスサイゴンのセットは、自動で、当時怪我した方もいらっしゃるんですよね?美奈子さんが足を怪我しながらも舞台に立ってたという話を以前お聞きしました。
    暗転の写真。
    譜面台しか見えないんですが…。
    撮影失敗したのかと一瞬思った(笑)
    私が所属している阿波踊り連には「暗転」には縁がなく…桟敷で踊るのみ。
    有名連はホールで踊ったりするから暗転を経験するんだろうね。
    阿波踊り………これから本番まで猛特訓………私は、ナイアガラの汗と戦い中(笑)

  9. さちこ

    カズさん、こんにちは(^^)
    カズさん!!
    何も見えませんでした(-_-;)
    保存して明るさを調整したら唄ってるカズさんが見えたけど。
    私もバード系じゃないから平気ですよ♪
    フランクリンとロズが仲良く手を繋いでいく姿は見えました(o^o^o)
    「暗転」好きですよ。
    次は、どんな場面になって誰が出てくるのかワクワクします♪

  10. Zoccha

    おはようございま~す☆
    BWML楽しみだけど、これもあっという間に終わっちゃうんでしょうね。
    すでに寂しい・・って私、変。
    6月2日は午後、自分の講演会で行けません。
    遠くから見守ります・・
    またもや凝ったブログを!
    わざとフィルターかけると、全部こういう写真撮れますけど、
    被写体が相当止まっててこれないと、被写界深度浅くてブレちゃう。
    私は三脚無しで1/8秒のシャッターなら四つ切に拡大しても手ぶれしない自信あるけど、
    人間って止まっているつもりでも実は動いているし、被写体は動く。
    人間の目はf1.0で優秀!これにかなうレンズは世の中に存在しない。
    あとは赤外線カメラでも使うしかない。
    暗闇で人を狙うスコープも赤外線仕様がある。姿が見えなくても当たる。
    暗転中に別のコーナーで芝居が入って、一瞬も隙間が無い芝居って好きです。
    ただし、これが休憩無しで2時間越えると気の抜ける暇が無くて、観る方も疲れます。
    1時間40分1幕ものとかなら、暗転多用で隙間無くやってもらうといいなあ。
    幕なんか最初からない客席200以下の小劇場公演を中心に観ていますから、
    暗転はほぼ必須です。
    まあ、いろいろな明るさの暗転がありますけど。
    逆にいっさいの暗転無しの芝居も好きです。
    去年のJAM SESSION シェークスピア「間違いの喜劇」@求道会館(東京都指定有形文化財)がそうで、
    歴史的建造物の真ん中に観客が居て、観客は群衆シーンのエキストラ。
    周囲の建物内部1階2階すべてをセットと舞台空間として360度使った、
    西沢栄治さんの天才的演出でした。
    芸術作品を演出したら、西沢さんはいつも蜷〇をはるかに越えていると思う。
    役者としてもうまいけど、この演出の才能と芸術性は圧倒的。
    私の中では日本でナンバー1の演出家。
    ほとんど無名でも、彼の作品は客席に演劇関係者が過半数を占めていたりする。
    前ブログの変顔集団、見ればみるほどいいお写真!
    フランクリンのこの変顔のままで、
    羽織・袴で「はいからさんが通る」の時代のホームドラマを、
    今日は勝手に妄想しちゃってます。
    大正ロマン&コメディもの。
    うわあ、セクハラでなくていいから、ギャグ満載の教授の変顔コメディ見たい~~~
    よいわ、よいわ~ 和装もお似合いですわ~
    【余談】
    そういえば、「はいからさんが通る」(大和和紀・原作)って、
    連続TVアニメの他、
    映画にもなったし、何度かドラマにもなった。連続ドラマも単発もある。
    結構波乱万丈なラブコメで、芝居やミュージカルに向いたストーリーだと思うけど、
    なぜか舞台公演になっていない。
    宝塚でも舞台になっていないはず。宝塚が一番先に飛びつきそうなのに。
    上演の条件がきびしいのか?
    誰か芝居書いてくれないかな~
    花村紅緒、伊集院忍、忍とうり二つのサーシャ・ミハイロフ侯爵・・
    ああ、最後の最後までハラハラしたのを思い出してしまった・・
    藤枝蘭丸、北小路環、如月、牛五郎、高屋敷要、青江冬星、江戸川端散歩、鬼島森吾、
    花村少佐、狸小路伯爵、ラリサ、エリナ・ミハイロブナ・・
    登場人物の名前だけでも素敵でした。
    単純なハッピーエンドでないのがいい・・
    漫画って言えば、・・・「宇宙兄弟」の映画観たいです・・
    ユニクロ銀座店11階で宇宙兄弟のコラボTシャツ2枚GET
    11-12階はコラボTシャツコーナーで、ONE PIECEや商品パッケージコラボがたくさん。
    アンディ・ウォーホールがキャンベルスープの缶を描いた作品は衝撃でしたが、
    ここまでくるとアンディ・ウォーホールのことはない。
    何でもアリ。
    あまりONE PIECEは可愛いのがないんですが・・ここの11-12階は一見の価値あり。

  11. touko

    kazuさん、こんにちは。
    暗転の解説、ありがとうございます♪
    私は暗転の最中に役者さんがハケたり、セットを設えてるとこ観るのが好き(^^;)で、暗転中は結構、目を凝らしてます(笑)
    でね、だからって暗転ショットじゃなくっても…。
    麗しのお姿が見れないでしょ!(笑)

  12. touko

    kazuさん、こんにちは。
    暗転の解説、ありがとうございます♪
    私は暗転の最中に役者さんがハケたり、セットを設えてるとこ観るのが好き(^^;)で、暗転中は結構、目を凝らしてます(笑)
    でね、だからって暗転ショットじゃなくっても…。
    麗しのお姿が見れないでしょ!(笑)

  13. うりぼう

    あ、どうも、バード系です。こんにちは(*^∇^*)
    暗転… フムフム..なるほど..暗転中石井さんのシルエットを追うの好きです。花ちゃんサンとのお手々つなぎ好きでしたょ。
    コレ、暗転ショットなんですか?失敗じゃないんですね?(笑)
    顔見たかったなぁ〜… なぜって?かっこいいからに決まってるがな(#^o^#)
    さぁ午後からもホンマモンの元気で頑張りま〜す!
    石井さん、無理せんとブツブツしてね〜♪

  14. みさ

    一孝さんへ
    こんにちは。
    昼休みにブログを覗いてみました。
    役者さん目線でのお話はとても興味深いです。
    いつもありがとうございます。
    バード系(笑)な私は『9 to 5』で一孝さんが手を引いて行かれるのを見逃しましたが、お互いが協力して作り上げる舞台、本当に素晴らしいですね。感動しました。
    暗転ショット…これは本当に暗転して欲しかった場面かな?(お話中に停電、な感じもしますが)
    失礼致しましたm(__)m
    BWML素敵なステージになりますように☆

  15. ゆっきぃー

    一孝さん、おはようございます(^-^*)/
    今仕事抜け出してきました。
    暗転ショット…(笑)

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